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医療用テープの基礎知識 その③  そもそもなぜくっつくのか~粘着と接着の違い~

テープの特長をお話するため、まずその原理的なところから説明します。

たとえば顕微鏡のスライドガラスとカバーガラスのように、濡れた2枚のガラス板がぴったりくっついて離れなくなる、といったことはないでしょうか。
これは、ガラスといえども顕微鏡的にはデコボコしていますが、水がその隙間を埋めることで、分子間力によりくっつくことによります。それでは水は粘着剤あるいは接着剤と言えるでしょうか?
しかしながら、水が乾いたり、あるいはガラスをずらしたり傾けたりすると、剥がれてしまいます。たとえ一時的にはくっついても、水は粘着剤あるいは接着剤とは言えません。

「ものをくっつける」という場合、「接着」と「粘着」があります。
まず「ものをくっつける」ためには、水がガラスの隙間を埋めるような液体としての性質、すなわち「粘性」と、ずらしたりしても剥がれない性質、すなわち「弾性」が必要となります。図3の水の場合は「粘性」はあるものの「弾性」がないため、くっついていることができない、ということになります。
接着剤の場合、はじめは液体ですから、「粘性」によって隙間を埋めます。その後、接着剤が「固まる」とか「乾く」という言い方をするように「固体の状態になる」ことで「接着」されます。しかしこうして固まってしまうと、きれいには剥がせません。
剥がせないとなると、これでは医療用テープには使えません。

一方の粘着剤ですが、これは初めから「粘性」と「弾性」の両方の性質を併せ持つ「粘弾性体」です。まず液体としての性質である「粘性」によって隙間を埋めてくっつき、同時に固体としての性質である「弾性」によって、流れ出たり剥がれたりすることを防止します。しかし固まってしまうわけではないので、粘着力を適切に調整すれば、うまく剥がすことができます。

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